私の花図鑑     花の里日記   2001.6.12
                 火曜日 ( 木の花 )


   今日は穏やかなうす曇の日だ。南の梅雨雲はまだここの空まで届いていない。しかし昨日の暑くなった午後には夏雲がわきあがり、もう夕立が始まっていた。

 今年の春はこぶしが特に花をたくさん咲かせた。また丸葉青ダモ麻殻類白雲木も見事に白い花を咲かせて川が白くなるほど花を散らせた。しかし昨年あれほど花をつけた藪手毬はもうしわけなさそうに貧弱な花をさかせただけだった。年毎に主役は変わり、まわり灯篭の様ではある。都市でも昨年まで隆盛を極めた店舗が今日には取り壊されたりしている。私たちの生きている地球号は宇宙のどのあたりまで飛んできたのだろうか?

 山の緑もだんだんと濃くなり木陰はちょうど良い木漏れ日である。今日は手入れ応援の来訪者があり、山の別荘地に来ている。道の草の刈り込みをしたり、枯れ枝などを取り除いている。微風がして、うぐいすやホトトギスなど鳴いて此処ではゆっくりと時間が流れていく。キツツキが時折トントンとドラミングをさせる。枯れ木を全部取り除くと彼らの食料が無くなるので、そのため枯れ木は適当に残している。手入れをしていると突然グミの木に出会ったり、油桐の若い実が落ちていたりする。また子連れの山鳥が足元から飛び立ち驚かされたりする。作業に疲れると枯れ枝を燃やした焚き火で紅茶を飲む。天然の湧き水だから美味しい。話も弾むし、都会のストレスはどこかへ消えていく。森の効用だろう。
 ここの森では自然のバランスが取れており獣や鳥、昆虫、草、木等が仲良く共生している。松枯れや斜面の崩壊、虫の大発生など微塵も感じさせない。人間がバランスを崩しさえしなければ日本の山野は美しいのだ。日本の木の花も注意深く見ればとても美しい。現在は世界中から珍しい花や木を集めて、園芸店や種苗会社が販売しているが一時の熱病だ。地に足をつけて日本を再発見し世界に誇れる国にしょう。

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