私の花図鑑          花の里日記  2011.5.21   160

         土曜日 (曇り)   小さな苗木


 今日は早朝からどんよりと曇っている。
山には灰色の雲がまとわりつき、低い所まで降りて来て朝霧みたいに見える。
天気予報を見ると曇りのち雨で、昼頃の雨の確立は30%だった。
こんな日は少し雨に濡れてもなんとかなると思い早速、花の里の草取りに出かけた。
行く途中のダム傍の道には木の上に這い登った蛇結茨が真黄色の花を咲かせていた。
川土手には白い野薔薇が満開だ。
時折降るとも降らないとも解らない様な微細な雨粒が車のフロント硝子につく。
山の緑は本格的に濃くなってきている。
もう太陽の光が葉に充分にあたるせいであろう。
少し道を山に遡ると渓谷では白い木の花が目立って増えている。
梅雨も近いなと思った。
たった一週間もすると木の花は変わっている。
短い命だが花の数は圧倒的に野草より多いので、日本蜜蜂の箱を山ではよく見かける。

 花の里は青い花が咲き誇っていた。
苧環(おだまき)がまさに満開。
乾燥に強い花で道にまで生えてくる。
それとジャーマン アイリスの花も咲き始めている。
まだ蔓花忍や芝桜、日本桜草のピンクの花も見えて彩りを見せてくれている。
少し雲が薄れてきて青い空も見えてきた。
暖かい南風が吹いていて動くと汗が肌に滲んでくる。
この日の気温は室内で26度もあった。
腰をかがめての草取りでは腰に負担がかかるのか少し痛い。
なかなか雑草取りは面倒である。
花の株の中に生えている雑草を素手でなんとか探って引き抜く。
宿根草は去年の枯れた硬い茎が残っていて手に当たり痛い。
これも花好きだから出来る仕事なんだろうと思う。
ついでに肥料も少し蒔いてやった。


  

 休憩してのんびりと梅雨入り前の緑豊かな室外を眺めると、
10年前位に私が山から持ち帰り、植えた水木が白い花を枝一杯につけて咲いている。
ようやくと言うかやっと咲いて呉れたので嬉しい。


   

また少し花畠の遠くでは藪手毬の白い花も見える。
葉の緑に白い花はなぜか清楚で美しい。
梅雨入り前が白い木の花の鑑賞には最高だと思う。
こんな風景を見ているとなぜかボビー ゴールズボロのハニーの歌を思い出す。
彼のこの歌は1968年5月にアメリカのTop40のbPに登りつめた。
彼の繊細な歌はなぜか好きで、いつもカラオケで歌っている。
花作りの私の教祖みたいな歌である。
でついへたな訳詞をしてみる。


  Song by Bobby Goldsboro      Honey  (訳詞)

  見て!大きな木だろう。
ねえ君。元は高くも大きくもなかったよ。
初めて彼女が泥にまみれて植えた時は細い小枝みたいだった。
迎えた初めての雪の冬には彼女が飛んでいって雪をはらったものだった。
そうしないと枯れそうだったから。
滑って転んだ彼女を見て死ぬほど笑ったよ。

彼女はいつも若いハートの持ち主だった。
優しさに溢れ大らかでスマートだった。
だからとても彼女を愛したよ。
2年前のクリスマスイブには彼女を驚かそうと、贈り物の小犬を頭にかぶったものだった。
また仕事から遅く帰った夜は、とても彼女を困らせたなと思った。
彼女はまだ起きていて、何でもない深夜映画を見ていてなぜか泣いていた。
そしてハニー。貴方を失った今でも、
貴方とはいつも楽しかったから、ずっと愛し合っていたかった。
もし出来るなら・・・・

彼女が車を壊して帰った日はとても落ち込んでた。
私が困ると思い、とても恐れていた。
私が困ったふりをすると心配して私の首を抱いて呉れたっけ。
予定しないで昼に家に帰ると、泣きじゃくっている彼女を見てしまった。
そして花が咲き始めて駒鳥が歌う早春に彼女はいなくなった。
そしてハニー。貴方を失った今でも、
貴方とはいつも楽しかったから、ずっと愛し合っていたかった。
もし出来るなら・・・・

ある日私は外出していて家にいなかったが、想いは昔に返り
そこに彼女が一人いて天使が舞い降りて来た。
今もハニーとの記憶すべてが私の中で生きている。
深夜に目覚めるといつも彼女の名前を呼ぶ。
今は彼女のいない空虚な生活。
何処にいてもハニーと生き、何処にでもハニーと遊んで、愛は深まる。
ハニーの愛したこの花壇の上の空を、小さな雲が過ぎて行っても泣いている私。

  見て!大きな木だろう。
ねえ君。元は長くも大きくもなかったよ。
初めて彼女が泥にまみれて植えた時は細い小枝みたいだった。

 木というものは人より長く生き延びて大木となる。
記念樹と言われるように人には計り知れない何かがある。
ずっと山で木と対面してきた私の感想である。
今はボビー ゴールズボロ氏、彼はガーデナー(庭師)をしていると言う事である。
今昔の動画を見ても、なにか、もこっとしていて爽やかな人ではある。
私が花図鑑で木をよく取り上げているのもこのせいかも?
今日記を書き終えたが深夜、雨になった。


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