蝉時雨の季節も終わった。 日が落ちると寝室の回りは草雲雀の鳴く音で満たされている。 まるで草原の真ん中に寝ているようだ。 時にはコロコロこおろぎの声もまざっている。 あの高原のひろ野には 秋の澄んだ空の色を映したような桔梗や 末広がりの女郎花、切れ込みのあるピンクの撫子、 月の形のすすきなどで彩られて、 朝には白銀の玉が撒き散らされるだろう。 そしてまだ 夏の熱気を含んだ夕べの空には、 色とりどりの ちぎれたのや薄くてほそい雲が、 ういては広がり 流れては消えてゆく。 私の真夏の夜の夢も 幻のように次から次へと現れては消えてゆく。 また新たな季節がそこまでやってきた。 夏の終わりを 告げているよな 草雲雀
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