内なるものへの回帰      2003.2.8    私の花図鑑へ戻る



人は絶えず原始への回帰を渇望している

内なるものへ 包み込むものへと

羊水に包まれた暖かな海のもとへ

穏やかな鼓動に刻まれた細胞の過去の記憶へと

そこはほの暗く心安まるところ


しかし渇望と裏腹に時間はたえず進化し続け

空なるものへ静寂なものへと広がり拡散する

絶対温度ゼロ゜Kの宇宙に向かって

どこまでも突き進んで行く

そして人々の記憶の光彩は

その暗黒の世界に散らばり薄められ空となる


私はその境界の狭間に立ち尽くす

その広大さ、静寂さにひるんでしまう

一歩踏み出せる日はいつ来るのか

空なるものへ立ち向かう勇気は

私のどこにあるのだろう



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