![]() 土曜日 島での朝 島での早朝。 今日は雨という予報だったがまだ降りだしていない。 海はだまりこくって波音一つさせない。 空は鉛色で全面に覆いつくしているが朝日が射す東の空は明るい。 海も空と同じ色をして平坦で浪模様もない。 雨まで少しの時間だと思って眠いのを我慢して飛び起き、散歩としゃれてみた。 曇っていても朝は気持ちがよい。 定家カズラの白い花が、道のそばの絡んだ木にあちこちで花盛り。 ねじれたプロペラ型の花から良い香りをさせている。 ![]() 道傍の森のそこそこではウグイスが鳴き、梢の先では頬白やメジロも囀っている。 名も知らぬ南の鳥も色々と鳴いている若葉の中の道をゆるやかに歩いて下っていく。 島の道は連携の縦は急勾配だが、横の道は平坦で歩きやすい。 また早朝で車一台も通らないので気楽だ。 森と畑の中に、わずかに見られる農家も住む人が少なくて目立たない。 道そばに青い立浪草が群れて咲いている。 美しい青色だ。 夏にはまるで見えなくなるが今は花の最盛期だ。 道の傍の草むらに時折草イチゴの赤い実が見える。 それを取って食べながら歩く。 この実は少し甘く美味しい。酸味はほとんどしない。 畑地の傍の水路に白い踊り子草が咲いていた。 普通は薄いピンクなのにたまに見かける。 道の傍の畑地はほとんどミカンが植えてあり白い花盛り。 この花からも甘い香りがして、どこを歩いていても匂ってくるようだ。 帰り道よく手入れがされた花が咲き乱れ野菜も出来が良い畑におばあさんが一人たたずんでいた。 あいさつすると彼女は先日の道直しご苦労さんでしたと言う。 こちらは綺麗になりましたねと言うしかなかった。 そう言えば農道のあちこちに修理をされた跡が見られた。 先の日曜日にこの地域で労役奉仕があったのだろう。 それも田舎らしい。 手入れをされた畑に囲まれた田舎の農家のたたずまいを楽しみながら、常緑の森や竹林の間の道を辿って家に着く頃には、空はまったく暗くなり雨がぽつぽつと落ちてきた。 |
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