私の花図鑑   花の里日記
   2006.1.25  70

                 水曜日   冬あれこれ

 今年は早々と山では積雪をみて、1Mくらいの根雪になってしまった。
日中ブリザードのような吹雪がすると思えば、音もなく静かに降る雪の夜もある。
そんな時、森はまるで生き物の影もしない。
常緑樹は白い雪をかぶってしまい、枝々は雪にひれ伏してこの寒さが行き過ぎるのを耐え忍んでいるように思える。また落葉樹は北からの冷風にさらされて細い枝先まで白く氷ついてしまったようである。でもそれは厳しくもあり美しくもある。
相変わらずここの空は灰色の雲に覆われて暗い。
 しかししばしの間、雪がやみ光がさしてくると、集団の野鳥の群が落葉樹の森を飛びまわって訪れてくれる。コガラ、ヤマガラたちだ。たまにはさえずりもしてくれる。
こんな寒い冬の森でも生きられるらしい。
凍りつく深夜には風の吹かない枝先でお互い羽根を寄せて暖を取っているのだろう。集団はこの為かも知れない。
またヤマドリの群も生きている。
南向きの雪が融けかけた森の地面を選んで群が餌をついばんでいる。
雄は長い尾の優美な姿をちらりと見せて藪の根元に隠れてしまった。
雪の道の表にはいろいろな生き物の足跡も残っている。
私にはどれがどれかさっぱり分からないけど。それなりに形は違っている。 


雪の日の過ごし方は野外での雪遊び。氷やつらら、雪を冠った渓谷、白い森などを鑑賞したり散策すること。
原野や森では積もった雪が凍りつくと表面が固まり楽に歩けるようになるが、新雪では駄目で遭難するような羽目に陥るので注意!
また野外の白い風景を眺めながらゆっくり読書したり、食事をしたり又お茶を飲んだり温泉よろしく入浴したりするのも楽しい。
しかし長期間となると苦痛になってくる。人間は贅沢なものでこうなると暖かい南の太陽と緑の森が恋しくなってくる。

 雪も遊びの内は楽しいが生活となると辛抱が必要だ。
水道管、給湯管は凍りつくし、やわなタイルは割れる。
外のコンクリートまでひび割れする。
雪かきは日常茶飯事で労力を要する。
また暖房費は余分にかかってしまう。
庭木は雪折れするし、歩けば滑るし車の通行も不便だ。事故もおきやすい。
雪国の人の忍耐には敬服してしまう今日このごろである。

         
雪やみて  水木の小枝  赤くなり     山帰来

              
吹雪の夜  寒さに負けじ  わが心     山帰来


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