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3月の香川は思いのほか寒い。 瀬戸内海を渡ってくる風が強くて浜辺の松はなぜか黄色く染まっている。 運悪くその日は晴れていたが、台風並の西風が吹いて黄砂で春霞。 そのせいだろうと思った。 浜辺の植物を期待して見たがまだ寒いのか、はたまた場所が悪かったのか全然花が見られない。 その代わりお寺は結構花木を植えてあり、周りには池が散在していて緑も萌えて綺麗だ。 春分の日のせいかお参りする人も多く賑わっている。 ある寺をお参りして帰りに寺の一隅に婦人たちが集まって賑やかにしている場所で呼び止められた。 何事かと聞いて見るとお接待だと言ってお土産を手渡していただいた。 恐縮していると、ここでは当たり前ですと言われそうかと感激した。 |
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あるお寺(出釋迦寺)では背後に見える山の上の少し下がった峠に別のお寺が見える。 四国の瀬戸内側の山は丸くおわんを伏せたような山が多い。 穏やかな山容ではある。 人の気性もそんなのんびりした地域性を表すのか他に比べて穏やかだと思う。 その山は標高が300m位であろうか、頂上付近に鋭い岩の崖が多数見られる。 伝承では空海が幼少の折、自分の信仰を確かめる為その崖を飛び降りた所、如来が現れて抱きとめてくれたとの説話があった。 私は興味を引いたので、お寺の人に車で上の峠の寺まで登れるかと話して見ると、今日は強風で枝折れ等が道路に落ちており、上がるのは無理だろうと言われた。 しかし私は山道に慣れているし車は4WDなので大丈夫ですと言うと、しょうがないねと言った感じで入らせて貰った。 |
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(山の中腹のお寺 飛び降りたと言われる崖はお寺の上部 手前は農業用の溜池) |
但しと言われ、なぜか必ずローで登って下さいと条件をつけられたのだった。 その道は山に掛かると特別に急なうえに180度カーブして延々と山に登っている。 空海が崖を飛び降りた気持ちで、一所懸命ハンドルとアクセルを調整しながらやっとの思いで寺までなんとか止まらず登った。 なぜかと言うと一度止まると急な登りでもう上がれない気がしたからである。 途中徒歩で登る人を数人確認した。 功徳を積むにはやはり歩いて登るのだろうとは思う。 |
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お寺からの下界の眺めはやはり良かった。 春の浅い緑に包まれた麦が植えてある広々とした田園や散らばってある池、黒く見える町並み、海も霞んで見える。 そのお寺から空海が飛び降りた場所までは急な岩の崖で、登り口には地蔵さんが祭ってあり安全を祈願するようになっている。 私もしっかりお願いして崖にかかった。 そこは岩場で鎖が下げてある。 昔若い頃に登った石鎚山でもそうだったなと思った。 なんとか無事にその場所まで登り念願がかなったのだ。 そこから山の頂上までまた少し崖を上り、松等の林を少しあがると平らな頂上で三角点がある。 眺めは良くないので、そこそこに引き返し先ほど峠のお寺まで帰った。 車の中は春の日で暖かくておまけにお接待で貰ったお土産を開けて見ると手作りのバラ寿司である。 作ってくれた人の気持ちをありがたく思い空海さんにも感謝して昼食を食べさせて頂いた。 また野草が咲く頃には何回かこの地に来ようと思っている。 なぜかと言うと四国は中国地方には無い花が沢山あり又自然が豊富だからである。 食べ物の話に変わるが香川には讃岐うどんがある。 夕食に食べたいと思って店を探したがどこも閉店。 昼間はすべての店が開いている。 4時頃にようやく開いていたセルフの店を探して食べたがやはり美味しい。 現地の人が普通に食べて繁盛している店は美味しい。 私は出来るだけ旅先に行くとそんな店を探して食べに行っている。 ファーストフード店や観光客目的の店では、なかなか好みのものは食べられない。 その日は7箇所新たにお寺を歩けた。ラッキー・・・・ 下の寺より山を展望 峠の参道(左には山上の寺がある) |
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