私の花図鑑    花の里日記   2003.9.2 43
           火曜日  森の効能

 8月が終わると野鳥はほとんどさえずらなくなる。すこし淋しい気持ちではある。
もう鳥たちの恋の季節が終わってしまったのだ。わずかに啄木鳥が鳴いているだけだ。
しかし次の主役登場・・・草むらの虫が鳴きだしている。時は変わる。

 最近確信した事だが野草や木の花など太陽が沈み暗くなると強く香ってくる。
昼は花色で蝶を誘うが夜は香りを出して蛾の来訪を待っているのかも知れない。
私が吉和村(今では廿日市市)から帰る時分には、たっぷり日暮れて暗くなり空には月や星が光っている。星や月が出ていない時はもう暗闇である。
途中対向車にはほとんど出会わない。森の中を30分ぐらいゆっくり走るのであるが、車のライトに照らされて道には薄い褐色の蛾が乱舞している。
彼らはなにを頼りに飛び回っているのか。
多分花や木の葉から出ている香りであろうと思う。
車の窓を開けて走っているのだが、森から出ている香りや空気、水分、風に包まれているとまるで天国で休んでいるように安らぐ。
いい音楽があるし、とても気分が良い。
昔から長く人間が森に住み、守られていた記憶からかも知れない。
暗い森には危険な動物や虫などが隠れているが、一方には安らぎがある。
今森の効能がようやく解かりかけた気がしている。
         夏は一日花が多い。夕方から咲く花だ。


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