私の花図鑑          花の里日記  2019.7.4   №402


          土曜日  (晴れ)  千変万化 (せんぺんばんか)

 今日は暑い日である。
天気予報では31度になるとの事。
周防大島に仕事で行きたかったのだが暑いのは苦手。
それではといつものように花の里と山の別荘地に行こうと出かけた。
着くとまず昼食までに草原の草刈りをしようと決めて作業を初めてみた。
道周りをスムーズに終えて草原の中に入って行くと地面が見えて土砂が掘られ荒れた場所がある。
良く見るとそこには小鬼百合の成長した若い茎が転がっていた。
子鬼百合はまだ蕾がつく前の段階である。
さては猪が今大きくなっているこの小鬼百合の球根を食べたのだとすぐに理解できた。
辺りを見渡すとあちこち球根を食べた跡があり、また地面を大きく掘り返した場所もあった。
ここの別荘地に猪が姿を見せるのは25年ぶり位であろうか。
私はもう別荘が沢山建っていて犬も飼われているから猪は来ないだろうと高をくくっていたのだ。
去年は山の食料が豊富で野生の鳥や動物たちは元気に増殖したのだろう。
それに引き換えて今年はまだ異常気象でありすべてが普通でなく熟す実も少ない。
このため彼らが住んでいる山を出て、人が住む里にまで姿を見せているのだろうと推測する。
ここの別荘地に住んでいる人も数日前に、ここの道に若い熊が歩いていたと話された。
そう言えば私もここから帰る途中、国道を走っていて高速道路そばの大きな木に若い熊が登って
いるのを目撃し、カメラで写そうとしたけど間に合わず熊は木から急いで降りて逃げていったのだ。
なんとか作業を進めて行き草刈り機のガソリンが無くなったので午前の草刈りを終了した。
暑くて体中が大汗で濡れていたので早速管理棟でシャワーをあびて体力を回復。
昼食をのんびり済ませて山の別荘地に向かった。
ここの花は京鹿の子やホリホック、河原撫子、ノコギリソウ、紫のクガイソウ、ルドベッキアである。

 山は緑一杯で爽やかである。
ここの道傍にある夏グミの木を見ると赤い実はまるで無く全部食べられていた。
花の里の同じ夏グミの実もそうであった。
野鳥たちも今年は餌が少ないのであろうなと思ったのである。
その日は野草園の上部の山の木の手入れをしていた。
やはり木たちは良く茂り、地面が暗くなっているので枝等を切って明るくしていたのである。
焚火もしていたので疲れた時に山を下りて休憩場所に降りて椅子に座りふと見ると赤い花
が咲いているのが見える。
それは春に事務所の窓際に飾って置いた鉢植えのシクラメンを夏越しの為、こちらの地面
にそのまま植えたものである。
それが春を越して夏になる前ではあるが季節を間違えたのか元気に花を咲かせていたのだ。
夏のシクラメンの花等生まれて初めて見たのではある。
普通であるとここに植えたシクラメンは秋にはしっかり株が張って、それを持ち帰り植木鉢に
植えて冬から春にかけて室内で咲く花を観賞していたのである。
山は作業しているのが木陰でなんとか涼しくて気温は28度。
ここの今咲いている花は白い丘トラノオや鳥足升麻、蛍袋、ウツボ草たちであった。

 事務所の庭に巣を作ったヒヨドリも無事に2羽子供が育ち、まだ幼鳥なのにどちらも巣立ちして
もうどこかへ飛び去った。
あんなに小さいのに良く飛べたなと私は思った。
まるで余裕のない子育てではあつた。
色々考えてみるとこの世の事象は毎年同じ事はまるで無くて、すべてが変化して行くなと思った
のである。


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