私の花図鑑          花の里日記  2015.9.18   267


           金曜日  (快晴)   特異日

 朝は窓を少し風がたたく音がして目が覚めた。
外を見ると快晴で雲一つない青い空であった。
気持ち良く起きてカーテンを開けて窓の外を見ると、今朝も真白なジンジャーが爽やかに花を沢山咲かせている。
夏ももう終わりだなと感じる花ではある。
今日は金曜であるが仕事はそっちのけで山と花の里に行きたいなと思った。
朝からそう思う事は最近はあまりなくて、今日は仕事がないのでそろそろ山に行こうかなと思う日々であった。
起き抜けに気持ちが良くて今日はなにか特異日である気がしたのである。
少し花図鑑のスマートフォン用のページを修正しておもむろに作業道具を車に積んで出かけた。
行く道のドライブもなにか気楽である。
車もわりに少なくて音楽を聴きながらのんびりといつもの道を走って行った。
車は買い換えて中古の燃費が改善されたものである。
価格も安くて気楽に乗れるし燃費もリッター当たり20kmになった。
以前の車は4Wdで燃費は特に頑張って16kmであったから25%位の改善であろうか。
とにかく燃料計の針の落ち込みが少なくなっている。
気軽に出かけ過ぎると元のもくあみかな?

 山の別荘地ではまず道の落ち葉や枯れ枝をガソリンエンジンのブロワ―で吹き飛ばしていた。
もう今年はこれで2回目になる。
秋の終わりでもないのに、まあしょうがないなと思いながら作業をしていた。
道の傍に枯葉を貯めるとそこにミミズが増えて、さらにそれを猪が食べようと路肩を崩すのである。
こんな事で枯葉を遠くまで吹き飛ばしているのである。
そうこうする間にブロワ―のガソリンが無くなってようやく今日の吹き飛ばし作業は終了。
オイル混合のガソリンはいつも携行しているのだがガソリンは危ないのでそうはしていない。
まあ作業はガソリンがなくなれば終わりで私には丁度良いのだ。
もう昼なので野草園に行きのんびり景色を見ながら食事をしていた。
小鳥の声も時折聞こえて、ここでも水木の実がなった所に実を食べに彼等が来ていた。
そういえば実の房が赤く見えて遠くからでも判りやすい。
これも水木の種(しゅ)の保存に対応した進化なのであろうなと思った。

 朝は台風の影響からか南風であったが午後からは北風に変わっている。
秋らしい乾いた風でなにか気持ちが良い。
午後からは湿地の猪対策を少ししてから野草園の上部の林を整備していた。
茂った木を空かせて枝を切り野草が咲くように日当たりを良くする作業である。
ここも升麻類が生えていて花を少し今も咲かせていて、これからもっと良くなりそうである。
この辺りの渓流にはチダケサシが自生していて、もっと増えるようにと保護してる。
ここから野草園に降りる道沿いには田舎菊の白い花の集団があり今は見事に咲いている。

     
田舎菊   広場から上部を写していて逆光なので写りが悪い(言い訳)


また少しだがコシオガマの濃いピンクの花も丁度咲いている。
またアキチョウジの青い花も今盛りである。
その中には山ホトトギスが地味な花を覗かせて咲いている。

 また少し休憩して野草園に今開花中の花を確認しに降りた。
休憩する場所は道の奥の広場で焚火が出来るようにしている。
道を降りると黄花秋桐の花の集団が見える。

   
黄花秋桐は大いに自生している(今年紫の秋桐を購入して植えているがまだ未開花)


その下には今盛りの更科升麻と大葉升麻の白い花たちが賑やかに花穂を伸ばせて咲いている。
大葉升麻の花の香りはどうかなと嗅いで見るとたいした事はなく期待はずれではあった。

           
白い大葉升麻と黄色のツルケマン


  
更科升麻と白い蛾  シャクガ(うすきつばめえだしゃく)  更科升麻は背が高い


升麻たちやツルケマンやミズヒキの写真を写したりして野草園を楽しんでいた。

           
 赤い水引は今年綺麗である


赤いゴマギの実も美しいのでこれも写していた。

     
ついカメラを接写の設定にしてなかったのでピントが悪い(いつもの言い訳)


ここは不思議にヤマボウシの木が見当たらない。
以前は杉林であったのでそうかなと思っている。
今は山法師はそこそこに繁殖しているので移植してやらないといけないなあと思う。
やはり自然は多種多様が楽しいと思うからではある。
木も同じ種類は木の数を制限して面白可笑しくしたいものである。
朝花の里に立ち寄っていたら芝栗の実が沢山道に落ちていて拾ったのであるが今年は大きめであった。
山に来ているのでそれではと芝栗の大木の下に行って見ると見事に実は無かった。
やはり山の動物(猪や熊?狸や兎等か)が主食にしているのだろう。
痛いイガクリの皮だけが沢山落ちているだけであった。
午後の3時を過ぎたので花の里への帰り道にふと見るとアケビの実が赤く熟れている。
割れたのもあるし割れかけも沢山あった。
白い中の実を食べてみると今年は甘味はすくないけどさっぱりしていて新鮮で美味しい。
少し取って持ち帰った。

 花の里に帰り、また周辺の草刈りをして整備をしていたら太陽が西の山際に沈んでいる。
今日は良く働いたものではあるなと自画自賛して昼の弁当の残りを夕食にし入浴してくつろいだ。
管理棟のここは新築してもう20年過ぎた位経過している。
その時あの時の色々な思い出が私の頭をよぎる。
楽しく過ごせたのを神(仏)に感謝した。
過ぎてみれば人にとって短い時なのかなとつい思う。
ここの別荘地で知り合った色々な人がもう沢山と死に、また別れ、また次の人が来ている今。
変化こそが人生ではある。
外に出てみると南の山の端に三日月が見事に光り、真っ黒な空には星々がキラキラと輝いている。
北の山の端には北斗七星が柄杓を下向けにしている。
銀河は東寄りの空を南北に流れていて見事であった。
さすが秋の空ではある。
ここの管理棟の別荘の北には舞台付の神社があり2年に一回、寒くなる秋の終わりに神楽が行われる。
そんな場所なので杉の大木が沢山あり森閑としている。
奥の杉の木の上からホー ホー ホルツクホーセィと言うフクロウの声が今年初めて聞こえた。
暗い夜は彼等の行動の時なのであろう。
今日は楽しい一日で私のこの一年では特異日そのものであるような気がした。
のんびり夜の道を帰り事務所に帰って空を見ればぼんやりと星が散見されるだけであつた。

 今夜遅く安保関連法案が委員会で可決されたようだ。
日本は戦後70年ずっと平和主義を貫いてきた。
残念な事ではある。
しかし若者たちが自然発生的に反対のデモに参加している報道を見た。
学歴や大企業中心の今の極端な資本主義的のアメリカナイズされた、この日本社会を改革するのは
彼等の行動にかかっていると思う。
頑張って欲しい。

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