私の花図鑑    花の里日記  2007.11.17   82

           土曜日   別荘の朝

 今朝目覚めたのは7時だった。
気持ちが良いので起き出して外を見ると霧の海。
遠くの山々の頂上が薄い水色の空に浮かんでいる。
もうここは初冬で11月の半ばだと言うのに今年は季節の変化が遅いと思った。
まず冷たい井戸の水をグラスに一杯飲み干す。
外を散歩するにはまだ寒いので早速入浴を始めた。
朝風呂。
観光で温泉旅行をする時はなぜか、いつもかけ流しの岩風呂に早朝入浴する。
誰もいない露天風呂でゆっくり景色を見てのんびりする。
そんな事が私の習慣となっている。
ここは岩風呂ではないが半露天風呂の感じで作っている。
いつも外の景色を眺めて入浴する。
もうモミジは紅葉の盛りでオレンジと黄色に染められている。
ケヤキや水木があるがこちらの紅葉は半ばで緑かかった褐色だ。
外の草は霜が何回か降りたのでその緑を失って秋色をしている。
垣根のアブラチャンは地味な黄色となっている。
また遠くから高速道路の音がすこし聞こえて来る。
花の里には樹木が増えたので虫が多いのかウグイスの地鳴きもする。
なぜか野鳥の鳴き声は心休まる。
すると別の鳥の鋭い声がするとウグイスは鳴かなくなってしまった。
外に植えた草々はほとんど枯れてしまったが夏遅く種から芽生えたニゲラの青い葉が目立つ。
私は1年草と2年草の概念的な分け方がいまだに理解出来ていない。
これはどの本にも記入がないが、以前は春に種を蒔きその年に咲き冬には枯れる花が1年草。
2年草は秋に蒔き翌年に咲き咲くのが2年草と理解していた。
植物を栽培していると気付くのだが宿根草にも2年草に変わるものがある。
これは春蒔いてもその年には咲かず翌年咲いて夏には枯れてしまう。
暑い夏がある日本では北の宿根草を南の温暖な地域で栽培するとこうした事が起きる。
本当はこれが2年草で秋蒔きで翌年咲くのは1年草なのかと迷ってしまう。
本来の1年草は熱帯系の花でその年の冬には枯れてしまうもの。
たとえば朝顔みたいなものだ。
たいした事ではないがこんな違いも花を栽培していると理解出来てくる。

 話がそれてしまったが入浴しているとここの風呂をかけ流しが出来るよう改造したくなった。
個人の風呂を擬似露天風呂にして快適にリゾートする。
こんな事が出来るともっと別荘生活が楽しめるかなと思った。
それぞれの人が別荘生活を楽しむ方法は色々である。
少しずつ手作りで何かを作り上げる事も楽しい。
今度来たらあそこの垣根をこうしょう。
こちらにはこんな花を植えよう等と考えて夢を見るのも楽しい。
人によれば知人を呼んで飲んだり騒ぐのもいいだろう。
近くの山に登山、川や海に釣りに行ったり泳いだり、はたまたスキーをしたりする。
恋人と二人ゆったりとした時間を持つのもいい。
フアミリーで週末を都会と違った過ごし方をするのも良いだろう。
仕事と離れて自分の好みの時間を持つ。
これが人として生まれて来て、食べる為に働くだけの生涯で無くて、人が遊びの時を持てる幸せではないかと私は思っている。
そうこう書いている内に次第に霧が晴れて朝日が射してきて遠くの山の黄金色の紅葉が
輝いて空は青くなり羊雲が白く浮かんで南東にゆっくり流れている。
今日は暖かい良い日となる事だろう。



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