あし( 良し 葦 ) Phragmites communis
 多年草【いね科あし属】分布地 全国

8〜10月咲  日当たりの良い湿地や沼、池、河川に生える
花穂も大きく長さ30cmになる  茎は中空
暑い夏でも力強くて涼しげではある
小動物や魚を守り育てて水を浄化する
若芽は食用し、茎はよしず材や製紙に使う
根茎は漢方で蘆根(ろこん)といい利尿、止血、解毒などに用いる
葦原とか葦笛などよく耳にする  冬に穂が白く光ると美しい
草丈3mまで  地下茎はつる性でよく伸び茂みを作る
同属にアシより草丈の高いセイタカヨシ、根茎が長いツルヨシがある
  園芸用の草葦  同じく湿地に生えるマコモ

花言葉: 後悔、音楽、不謹慎

  津の国の 難波(なにわ)の春は 夢なれや  
    葦の枯葉に 風わたるなり    西行
 


注:津の国とは大阪府の西部と兵庫県の南東部を合わせた国で、難波とは大阪の繁華街で近くの淀川沿いに葦が生えていた。


  難波江の 葦のかりねの ひとよゆえ  
    身をつくしてや 恋ひわたるべき  皇喜門院別当
 


注:葦の一節ほどの短い契りだったのに
   ずっと恋し続けなければならないとは?



  若の浦に 潮満ち来れば 潟(かた)を無み  
    葦辺をさして 鶴(たづ)鳴き渡る  山部赤人
 
  
注:若の浦は現在の和歌山県の和歌の浦で、昔から景勝地であった。しかし近年埋め立てられて1部を残すのみとなったが、昔を偲ばせる面影を有しており、一度訪れてみて万葉の時代を体験してはいかが?  葦辺に鶴が飛び交う日本にしたいものだ。

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