花の里日記 2003.2.21 №35
土曜日 木の花さくや姫
木の花は爽やかで優しい花が多くて、花の命も短い。
淡い色の花が多い。
私も花図鑑に関わっているのでよく実感できる。
以前からコノハナサクヤヒメの名前の事が気にかかっていた。
芭蕉の奥の細道に室の八嶋に参詣した時、この神は木の花さくや姫の神といい
富士の神と一体也との記載がある。
いろいろ調べてみると木花之佐久夜毘売(コノハナノサクヤビメ)は大山津見神
(オオヤマズミノカミ)の娘で、姉の石長比売(イワナガヒメ)と共にニニギノミコト
(天照大御神の孫で高千穂の峰(下の写真)に天孫降臨した)に求められて献上
された。
が姉のほうは器量が悪かったので帰らされてしまった。
しかし石長比売は石のように長い命が特徴で、木花之佐久夜毘売は花のように
栄えるけれど命はうつろいやすい象徴であつた。
これからのち子孫の天皇の寿命が限りあるものになったという。
その後出産に関して色々とあり、コノハナサクヤヒメは焼け死んで火の神となった。
生まれた子供が海幸彦と山幸彦で山幸彦の子孫が神武天皇となった。
以上は日本の神話の世界である。
木はうつろいやすく燃やせば火となる。
神話といえども祖先の自然への思いが私たちに伝わる。
木の花の写真を取っていて、遠い昔から祀られてきた山の神々の事を思った。
意見 神や仏は人の形を模して語られるが、それは我々が生かされている世界
(自然や宇宙)そのものだ。
人は死して土に戻り神や仏(自然)になる。
生きている人の形をした神や仏などあろうはずがない。
平凡な人にわかりやすく説かれたものだ。
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