花の里日記 2002.7.31 30
水曜日 木材について (杉)
昨年の早春と真夏に山の別荘地の杉の1部を40本くらい伐採した。
森が暗い為である。
杉の森は先人が植林したような気配がする。
なかでも大木は年輪が80もあった。
早く製材しなくてはと思いながらようやく7月に製材までこぎつけたのであった。
元来私は建築に長年携わって来たが、木材の生産に関わる事がまるでなかった。材木屋さんから購入するだけで乾燥した欠点の無い木であれば良かっただけだった。
しかし自分自身が材木の誕生に手を貸す事となり色々その道のプロからアドバイスを受けた。
倒し方は木の引き出しに良い方向に倒す事。
枝は落とさず水分が出てから切る事。
先の枝は搬出のクッションがわりに残す事。
真夏の伐採は甘皮がはがれやすいので丸太の化粧材に良い事などであった。
しかし皮剥きは大変で油断して長くほって置くと甘皮の部分に杉カミキリが侵入して穴だらけとなる。
心材まで食べられると木材に利用出来なくなる。
自然の力はすさまじいと思う。
都合が良い事は、道が頂上までついているのでクレーン車で釣って簡単に道路に出せた事だった。
次に製材所まで運ぶ事であるが最近の製材所は運搬してくれない。
ようやく知り合いの土木屋さんに運搬の手伝いをしてもらい隣町の製材所に持ち込んだ。
こんどは加工の寸法で使用場所や木の曲がり具合でそつのないよう利用しなくてはならない。
私は建築士であるため大体の事は理解できるが一般の方には大変な作業であると思う。
色々と費用もかさみ内地材の使用には努力と消費者の理解が必要であると痛感した。
しかし今は目の詰まった8寸角の柱がとれて満足している。
投げ入れ堂ではないが、五角堂のような眺めの良い別荘を今計画している。
どうなりますか?
古(いにしえ)の 人の植えけむ 杉が枝に
霞たなびく 春は来ぬらし 万葉集より
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