私の花図鑑          花の里日記  2011.9.18   171

         日曜日 (曇りのち雨)   さ迷い人


 沖縄方面に台風が居座っていてまだ夏のような湿度の多い初秋の日。
久し振りに山の野草園に出かけた。
空は曇っていて時折小さな雨が舞う。
行く途中の里山の土手にはもう赤い彼岸花が群れて咲いていた。
もう彼岸も間近か。
中秋の名月もなんとか見た。

 着いて早速に道の草刈りを始めた。
今年の夏は暑い上に雨が多くて雑草は元気一杯に茂り、砂利交じりの
土の道を半分以上も隠している。
それを草刈り機で刈るのだが、結構草の茎は硬くて数回同じ場所を
金属刃やビニール紐でなでなくてはなかなか綺麗にならない。
今年、私は夏にしっかり動いているので体力はあり、汗がしっかり出てもなんとか出来た。
いま野草は白い田舎菊や薄青い秋丁字、白い晒菜升麻、同じく白い大葉升麻、
ピンクの小塩竃がなんとか他の雑草に混じり咲いている。
野鳥はもう囀りもなく山は静かで、彼らは南下して冬越しの旅に出かけたのだろう。
そうこうしているうちに夕方近くなりゴロゴロと雷がしてきて小雨が降り始めたので、
急いで退散して花の里に逃げ帰った。

 花の里も花壇に草が混じり茂って大変なのだが、人手が無くてどうしょうもない。
それでも秋明菊、秋海棠、コスモス等が負けずに元気に咲いているのが救いだ。
ここの草刈りはなんとか済ませて体裁だけはつくろっているが。
数年前に苗を植えた山法師が10本位せいが2m程度に育ったのだが、鉄砲虫が
小さな幹に食い入り、幹の中央部分と根元に2箇所穴を開けて木屑をそこに出している。
それをたまたま草刈りして発見したのだがまだ殺虫剤を入れていない。
綺麗なものには虫がつきやすいとつい思う。

 入浴して雨の暗い山道を車でいつものように帰るのだがつい車の走行メーターを
見て長い距離を走ったものだと思い、またメーターが進む毎に私の命のメーターが
尽きてゼロになりそうだと思ったりする。
人生は長い道を旅しているのに似ている。
いつまでこうして暗い山道を一人で走っているのだろうとつい悲しくなったりする。
道の川沿いには川虫が成虫になったのが飛び回り、山沿いでは小さな蛾が沢山舞っている。
暗い山里ではぼっと赤い電球の光が見えて草ヒバリの賑やかな鳴き声がしたりする。
下れば松虫、こおろぎ、ガチャガチャが鳴いてもう事務所も近づいて来た。

 こんな事を考えていると私の好きなアバのマイナーな曲が浮かんでくる。
それは アナザー タウン、アナザー トレイン
アバの歌には珍しく男性が歌っていてカントリー風で素敵だ。
それは男性の心理を捉えて歌ってくれているようで、日本でも水の流れに人生を
たとえた昔の人もいた。
似た感じの曲にメキシコの独立戦争に参加した若者の心を歌ったアバのフェルナンド
あるがこちらも好きな曲だ。(フェルナンドの訳詞)
その歌はあの広大なリオグランデ川の暗い夜空に、幾つもの星が光輝いている様が
まるで聞いている私たちに見えるようで大ヒットした。
いつものようにきままに訳詩(訳詞)をして見た。

  Another town, another train        Song by Abba

夜が明けたので私は旅立とうと思う。
今貴方はまだ眠っている。
しかし貴方はいずれは解るだろう。
なぜこのように終ったのかを。
貴方と私は素敵な時を過ごした。
しかし私は何処かに行く事をいつか貴方に話したね。
だから貴方は私がもういなくなった事が分かるだろう。
私はいま動き初めてる。

今朝の雨の中、他の町で、別の汽車を待っている。
神が与えて呉れた私の小さな忍耐や安らぎのない魂がわかるだろう。
今他の町で、別の汽車で。
失われるものも、得るものもない。
私の人生は鉄道の駅で一生を過ごしているようなものだ。
私の人生は鉄道の駅で一生を過ごしているようなものだ。

貴方が目を覚ましたら、泣く事はわかっている。
さよならと書いたから。
それは貴方を慰めはしないけど。
しかし、そのうちに貴方は理解するだろう。
私たちが砂で作った夢を見ていた事を。
私のような役立たずの、さ迷い人のために自由がある事を。

今朝の雨の中、他の町で、別の汽車を待っている。
神が与えて呉れた私の小さな忍耐や安らぎのない魂がわかるだろう。
今他の町で、別の汽車で。
失われるものも、得るものもない。
私の人生は鉄道の駅で一生を過ごしているようなものだ。
私の人生は鉄道の駅で一生を過ごしているようなものだ。



  
 秋明菊の  花びら散らして  時雨(しぐれ)降る   

 私もいつか散るだろうがそれまで元気に夢の花探しを!


 以下 英詞

Day is dawning and I must go
You're asleep, but still I'm sure you'll know
Why it had to end this way
You and I had a groovy time
But I told you, somewhere down the line
You would have to find me gone
I just have to move along

Just another town, another train
Waiting in the morning rain
Lord, give my restless soul a little patience
Just another town, another train
Nothing lost and nothing gained
Guess I will spend my life in railway stations
Guess I will spend my life in railway stations

When you wake, I know you'll cry
And the words I wrote to say goodbye
They won't comfort you at all
But in time you will understand
That the dreams we dreamed were made of sand
For a no good bum like me
To live is to be free

Just another town, another train
Waiting in the morning rain
Lord, give my restless soul a little patience
Just another town, another train
Nothing lost and nothing gained
Guess I will spend my life in railway stations
Guess I will spend my life in railway stations

Just another town, another train
Waiting in the morning rain
Lord, give my restless soul a little patience
Just another town, another train
Nothing lost and nothing gained
Guess I will spend my life in railway stations
Guess I will spend my life in railway stations

Songwriters: Ulvaeus, Bjoern K / Andersson, Benny

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