私の花図鑑          花の里日記  2011.10.16   172

         日曜日 (晴れ)   秋の山路


 ようやく暑さも収まって朝晩は涼しく山は紅葉を始めている。
気の早い山法師や山漆、山桜などが紅葉してきた。
なんとなく緑に覆われた山は黄色味をましている。
花の里の庭に植えたエゴの木はもうすっかり葉を落とし、黄緑の実ばかりになった。
そこにまた今年もヤマガラが来て実をついばんでいる。
大きく育った水木が黒い実を枝一杯につけたが野鳥は美味しくないのか、たまについばむだけ。
ほとんどの実が地面に落ちている。
水木は冬には枝が赤くなるが葉は紅葉せず枯れて落ちるだけ。
そんなに何もかも良い木はないものだ。
男ようぞめとか山法師は花も実も素敵だし紅葉もして綺麗だ。
大木にはならないので庭には植えやすい。
最近は知り合いの植木屋さんとよく話しているのでそんな事も考えるようになった。

 秋の野草を見たいと思い近くの山や草原に出かけてみた。
山の道野辺にはまばらだが秋丁子や引き起こし、花たで、黄花秋桐、溝蕎麦等が色とりどりに
散らばって咲いて美しい。
山の上部では今年の夏あまりに暑かったせいかことのほか花が少ない。
それでもナギナタコウジュの集団が見事に咲いていた。
野原では薄の中に竜胆や山らっきょうの青い花が美しい。
その中に肝木の木の赤い実が鈴なって秋の赤い陽に照らされ余計に赤く見える。
また真弓やつり花、小真弓は実も葉も赤くなってこちらも美しい。
黄色の背高泡立草の群落があるのも愛嬌。
かきつばたは葉がもう黄色になっているが、その中に青い花を咲かせているのがちらほら見える。
かきつばたは四季咲きの気が少しあるのだろう。
秋は空気が透明なのかどれも花色が鮮明で余計に綺麗に見えた。

 今民家の整備の仕事をしているが、どこにもなにがしかの果樹が植えてある。
街近くの民家には柿の木が沢山あり色々な品種が大木となって実を沢山付けている。
甘柿が赤くなっているのでつい、もいで食べるが虫食いで早く赤くなったのだろう。
あまり甘くはない。
寒さが来て初めて柿も甘くなるのだろうと思った。
子供の頃はよく干し柿を作ったものだった。
あれは甘くて大好物であった。
甘柿とは比較にならない味である。
渋柿が木で熟れると格段甘い。
市場には味が変りやすくて実が割れ易いので出回らない。
今年は役得でそれが味わえそうである。


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