私の花図鑑          花の里日記  2011.6.28   165

         火曜日 (曇り)   夏の予感


 今日は午後から花の里近くの民家の敷地の整備に出かけた。
曇っているのに蒸し暑い日で湿度は80パーセントもある。
気温も26度になっている。
行く道の途中では藤木の白い花が山法師と争うように白い花を枝一杯に咲かせている。
現地では刈り取った草や木の枝を整理して燃やしていた。
蒸し暑い上に斜面の作業と焚き火の輻射熱で汗まみれだ。
空はどんよりとして時折細かい雨を霧のように降らす時もある。
それでも庭と言うか原野を整備していくと段々と綺麗になっていく。
人はこうして自然と闘いながら環境を暮らしやすいように変えて整備してきたのだろう。
草などを燃やすとその白くて薄い煙はなにか心地良い。
まあタバコよりはずっと健康的なのか、はたまた原始時代に穴倉住居で先祖がこの煙と
共存してきた為だろうかと思ったりする。

 作業を終わって疲れ果てて帰ろうとして北の空を見上げると、夕日に
白い入道雲も赤く照らされようやく晴れてきた薄青い空に浮かんでいる。
急いで花の里に帰り入浴する。
窓の外は京鹿の子のピンクの花が緑の中満開で綺麗だ。
立葵も大きな花を咲かせている。
外のテラスの柱に巻きついたクレマチスも紫の花を房状につけて咲いている。
それと内田ひまわりの集団が黄色の花を茎の先端に咲かせ初めた。
シャスターデージも真白な花を庭の道のそばで競いあって咲いている。
不思議な事にどこからか花の香りがしてくる。
野草からか、また森の木の花が咲いてそれが香るのかわからないが素敵である。
入浴を済ませ扇風機の風に当たっていると一気に不快が快適に変ってくる。
元気回復し帰る頃には今年初めて、待っていたヒグラシがカナカナと鳴き始めた。
気温は24度に下がり空は晴れ渡り、あたりには白い霧みたいなのが薄くただよっている。
こうなってくると湿気の多いのがなぜか気持ちが良い。
人が魚から進化して人になった経過なのか水のうるおいが無いと私はなにか淋しい。
砂漠で生きる人の苦労がわかる気がして、この水の豊かな日本に生まれた事を
感謝したい気持ちになぜかなる。
帰る途中、車のCDからグリーンスリーブスのイングランドフォークソングが流れて最高の気分。
ジュリー チャールズが歌っている愛する人を思う心の歌だ。
窓を開けて走るがこんな時はフロントガラスの外に霧がついて曇る。
気温は一気に22〜21度まで下がって快適。
窓の外からはえもしれない森の花の香りがただよってくる。
そうして山を下っているともう8時。
付近の里山の渓流には沢山車が来て人たちが蛍見物をしている。
暗い川そばには黄色の蛍の光があちこち点滅している。
その中をずっと車で抜けて走っていく。
そうこうしていると段々と対向して帰る車のヘッドライトの集団の光に照らされて
一気に町の現実に引き戻されてしまった私であった。

 日記前のページへ 日記次のページ 日記の最初目次ページ 花図鑑ホーム