私の花図鑑          花の里日記  2010.12.23   147

         木曜日 (晴れ)   バージン メリー  (母)


 年末でなにか気ぜわしく、仕事も急ぎがあって最近山に行っていなかった。
ようやくの事今日はフリーの日となったので早速山に出かけた。
今日は低気圧が行き過ぎて少したったので快晴。
そんなに寒くなく小春日和気味の日だ。
空には白い小さな絹雲の塊が僅かに散らばっているが蒸発して消え入りそうである。
山里には赤い南天の実がめだって多い。
それに山茶花の花と咲き残った黄色の菊の花が見える。
それはもう冬の風景である。

 山に行き早速大きくなりすぎた栗の木をチェンソーで切る。
直径は30cmもあるが切断して年輪を見ると20年生位だ。
夏に葉を茂らせてあれほど元気な木なので成長が早い。
周りの小さな潅木は20年たっても径が4cmにも満たない。
成長の差にびっくり。
そのせいか栗の木がシイタケの原木に利用されている理由がわかる。
焚き火をしてしっかり体を動かした気持ちの良い1日であった。

 帰りに車中でクリスマスイブも明日なのでジュディ コリンズのカム リジョイスのCDを聞いた。
毎年クリスマスにはこのCDを聞かないとなにか落ち着かないのだ。
その中に 
Cherry Tree Carol (チェリー ツリー キャロル) がある。
彼女の歌はまるで天使が歌っているようで素晴らしい。
フォークシンガーの真髄といったところであろう。

老いたジョセフの妻になったバージンメリーがイエスを身ごもった。
散歩中にさくらんぼの実が食べたくなり夫に頼んだ。
私と子供の為にさくらんぼを取って下さらない?
彼は嫌な顔をしてお腹の中の赤ん坊の父親に取って貰えと言ってつれない。
その時お腹の中にいたイエスが、さくらんぼの木に頼むと
高い木の枝が下に降りて来てその実をメリーが食べられた。
ジョセフが歩いていると天使が空から歌いながら舞い降りて来て
今夜天の王が生まれると告げる・・・

こんな内容の歌。

 いつも車で帰っていると、ついこの11月に亡くなった母を思ってしまう。
母は事務所の近くの病院兼介護施設に長いこと入所していた。
いまでもそこに行けば会えるような気がする。
母は車椅子の生活であったが長生きで95歳であつた。
その時は母はわりに元気で100歳までは大丈夫と私は思っていた。
亡くなる前に母は家に帰りたいと言うので一時帰宅と言う事で4泊5日で帰っていた。
家では落ち着いていて動きもしないで寝ているばかりであった。
予定が済んで元の介護施設に戻ったが、それからまもなく食事を取れなくなり
あっという間にあの世に行ってしまった。
そんな事でもっと母に色々してあげたら良かったのにと今では後悔している。
亡くなった数日後に、なにか悲しい気持ちで寝ていると、朝方夢に母親が出てきた。
その夢ではまだ乳母車を押して歩ける時の母親であった。
その母が家に乳母車を押して元気に買い物から帰ってきた後姿であった。
私は夢の中でなぁんだ元気な母ではないかとつい思ったとこで眼が覚めた。
母は病気やら骨折やらで長い事病院暮しであった。
そのせいか家によほど帰りたかったのであろう。
私はその夢を見て母がようやく安住の地を得て天国に行ったのだろうと安心した。
両親を亡くしてから、子供だけは自分が死ぬまでずっと親の事を考えてやれる
世界で唯一の人間であると思った。

  最近にこの歌の和訳を調べるとよく訳された詩があった。


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