私の花図鑑          花の里日記  2010.5.9   129

         月曜日 (晴れのち曇り)   ワンダーランド

 昨日は晴れて風の強い日だった。
花の里での草取り作業もそのせいか、なにやら落ちつかなかった。
それにかわって今日は穏やかな日で、微風が吹いて気持ちが良い。
花の里入り口の道路脇に生えているうわみず桜の花が、真白に満開で雪のように咲き美しい。
今年は花の房が小さいが枝一杯に花をつけて見事だ。
また芝桜やプリムラ類、青い姫シャガが地面を覆って咲いて賑やか。
半日陰に植えているエビネ蘭類も地味でそれぞれ色の違った花をもう咲かせてくれている。
ここは宿根草を色々と植えており、入れ変わり立ち替わり次々に花を咲かせてくれる。
風車の株を植えていたのだが花をつけたようで今年は咲いてくれるのを期待している。
他のクレマチスも蕾をつけていて楽しみ。
しかし雑草がその間、間に生えているので抜くのに手間がかかり追いつけない。
私は無理な事はあえてしない性格なので草取りはそこそこに山の別荘地に向かった。
なぜかと言うと山の木々の芽生えが素晴らしいから。
柔らかで色とりどり。
まだ山桜も咲いていて、そこにいると野鳥も鳴きなぜか心が落ち着くのだ。

 昼食をのんびり花の里のコテージで済ませたので山には2時前になんとか着いた。
坂道をゆっくりと車で登っていくと突然、茶褐色の毛をした大きな兎が眼の前で飛び跳ねて
ある茂みに隠れたのを突然見てしまった。
ここには10年以上来ているが兎を見たいと思いながら、ついぞ見た事が無かったので
つい入った事の無いその茂みに私も追いかけて入って行った。
そこは木々が自然のままに生い茂り交差し枯れ木も倒れて入るのにもままならない所。
おまけに吸血鬼は集団で飛んでくるやら地面には毒蛇があちこちトグロを巻いて
いるやらで恐ろしい。
木が縦横無尽に枝を伸ばして展望はまるでない穴のような場所。
坂の上からは沢山の槍の群れが私をめがけて射して来る。
戦国時代に城を下から攻めるのにはすごく難儀をしたものだとつい思う。
倒れた死体が行手を遮って進むのもままならない。
私はチエンソーを振り回し、鋏やはたまた鋸を縦横に使って敵をなぎ倒して行く。
たまには彼らの逆襲でパチンと顔を直撃される。
眼だけはやられると困るのでなんとか注意して行く。
残念だが兎の穴などはなかなか見つからなく、私の好きな美女たちも邪魔なものを
見境なく切るのでつい切ってしまい、ごめんと言うだけのていたらく。
際限なく飛んでくる吸血鬼は始終帽子で払いのけて殺している。
そんな事で日暮れまでにようやくその場所を平定し長閑な明るい林へと変えた私であった。
とうとう兎はどの穴に隠れたか今でもわからない。


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